4−3−1 調査地点の概要と目的

本地点では、平成12年度調査において、OK−1孔〜OK−10孔等の、計10本のボーリング調査が実施されている(図4−4)。その結果、図4−5に示すように、現地表面下約3m付近に約400y.B.P〜約500y.B.P(江戸時代初頭)の14C年代を示す湖成堆積物(縞状粘土層)が分布しており、この堆積物は、その14C年代から会津地震時に生じた塞き止め湖に堆積したものと判断されることと、この縞状粘土層は、少なくとも断層の西方下流側約350m地点から、断層の東方上流側約90m地点に至る間において、断層を横断してほぼ水平に連続していることが確認された。このことから、会津地震時においては、本断層帯の地表変位がなかったか、あったとしても小さいものであったと判断された。しかし、会津地震時の変位がより東側に生じた可能性が残されていたため、平成12年度調査範囲のさらに東側の約140m区間に、約50m間隔でOK−11孔、OK−12孔及びOK−13孔の3孔のボーリング調査を実施した。また、会津地震に関する歴史史料について調査を行った。