4−2−2 調査結果

新宮第3トレンチの北側法面のスケッチと写真を図4−2−1図4−2−2に、南側法面のスケッチと写真を図4−3−1図4−3−2に示す。

トレンチ内には、砂質シルトと砂礫層の互層及び腐植質シルトが分布し、これらの堆積物は、第2トレンチ同様に、撓曲変形を示す。撓曲変形している最上位の腐植質シルトについては、約1700y.B.Pの14C年代値が得られた。これらの撓曲変形した堆積物をほぼ水平に黒色土壌が不整合で覆っており、この黒色土壌の14C年代は約1600y.B.P〜約1400y.B.Pの値を示す。

黒色土壌は層厚約20cm〜約30cmで、主にトレンチの西側にのみ分布し、上限及び下限共に比較的明瞭に区分され、その上位に層厚約15cm〜約30cmの耕作土と考えられる茶褐色土壌が全体に広く分布している。一部の黒色土壌は人工改変の影響を受けている可能性があるが、下位の腐植質シルトを覆ってほぼ水平に分布しており、14C年代値もほぼ水平に調和的な値を示す。

以上のことから、バルジ背後のバックスラストの最新活動時期は、約1700y.B.P以降であることが確実であり、約1600y.B.P以前である可能性がある。