平成10年度の調査では,室原北地点において露頭調査により約8万年前と推定されるM2面堆積物基底面に,室原南地点においてボーリング調査により約3万年前のL2面堆積物基底面に,いずれも双葉断層の両側で高度の不連続がないことが確認された。
また,山神北地点においては,トレンチ調査により,双葉断層は約8万年前のM2面堆積物基底面に変位を与えていないことが直接確認された。
以上のように,双葉断層の南部区間では,下末吉面相当及びそれ以降の段丘面に変位地形は認められず,約8万年前の段丘堆積物基底面に変位を与えていないことが確認され,同区間の双葉断層は,少なくとも後期更新世以降における活動はないことが明らかとなったことから,近い将来活動するおそれはなく,当該区間を起震断層として考慮する必要はないものと判断される。