4−2−2 ボーリング調査結果

本地点では,平成9年度に掘削した栃窪南トレンチの南側の図4−11に示す位置において,断層の西隆起側で10孔,東低下側で13孔の計23孔,総延長約230.0mのボーリングを実施した。

ボーリング調査結果により得られたT層の分布状況を立体的に図4−12に示す。

T層の南縁の走向は,西隆起側及び東低下側いずれにおいても,概ね ENE−WSW方向を示すが,断層延長部で明らかに食い違っており,断層により左横ずれ変位を受けていることは明らかである。断層の隆起側及び低下側のいずれにおいても,T層の南縁の走向は,断層近傍で断層の走向に近くなり,これは断層による引きずりと考えられる。このことから,引きずりも含めた横ずれ量を求めるため,西隆起側,東低下側それぞれにおいて,T層の南縁をその全体的な走向で延長して断層面との交点を求め,その食い違い量を横ずれ量とした。その結果,T層の南縁の左横ずれによる水平方向の変位量は約2.8m,鉛直方向の変位量は約1.1mの値が得られた。