平成9年度に調査を実施した栃窪Aトレンチでは,最新活動のみによる断層変位が認められ,断層の西側の基盤上面には旧流路と考えられる谷地形がみられた(図4−3)。したがって,この基盤上面の谷地形を変位基準として,最新活動における横ずれによる水平方向の単位変位量を確認できる可能性がある。
このことから,平成9年度に掘削した栃窪Aトレンチの南側に,新たに図4−2に示す位置で,長さ約21m,幅約9m,深さ約3mの栃窪A2トレンチを掘削した。本トレンチでは,側壁法面の他に,基盤上面を削り込む旧流路の分布状況を観察するため底盤の整形及びスケッチを行った。