M2面構成層の高度には,西側のToH−2孔と東側のToH−2.5孔との間で鉛直約6mの東側低下の不連続が認められ,この高度差は,その位置が上記の低断層崖と一致しており,断層による変位と判断される。
断層低下側のToH−2.5孔では,断層崖を埋めてM2面構成層の上位に細粒堆積物が厚く堆積し,これを覆うローム層下部から大山倉吉テフラ(約5万年前)が検出された。このことから,M2面構成層の堆積年代は,同テフラ降下期よりも古く,8万年前程度と推定される。
M2面構成層の堆積年代を8万年前とし,同層の鉛直変位量約6mから,本地点における双葉断層の鉛直方向の平均変位速度は約0.075m/103年と算出される。