この北部区間では,遠藤,栃窪等において,リニアメント延長上に分布する後期更新世に形成された段丘面に低崖が認められ,地表地質踏査結果によっても,鹿島町橲原等において,双葉断層は低位段丘堆積物に東落ちの変位を与えていることが確認された(図3−2)。
一方,原町市大谷以南においては,空中写真判読結果によると,リニアメントは断続的であり,ランクも概ね確実性の低いLD及びLCリニアメントである(図3−2)。また,この南部区間では,原町市片倉において高位段丘であるH2面に比高約10mの低崖が認められるのみであり,その他では,いずれもリニアメント延長上に分布する後期更新世のいずれの段丘面にも低崖あるいは高度不連続は認められない(図3−2)。また,地表地質調査結果によっても,原町市大谷,同市片倉北,浪江町室原,同町大堀等多くの地点で,地形測量の結果,双葉断層を覆う中位及び低位段丘面に変位・変形が認められないことが確認された(図3−2)。