断層の長さ(L)から地震規模(M)を求める式として
M=(logL(km)+2.9)/0.6 (1) [日本陸域:松田(1975)]
M=5.08+1.16logL(km) (2) [世界:Wells and Coppersmith(1994)]
を示し、地震規模が7.3≧M≧6.8の範囲の地震について求めた式を
M=6.81+0.253logL(km) (3) としている。
断層活動における1回の変位量(D)から地震規模(M)を求める式として
M=(logD(m)+4)/0.6 (4) [日本陸域:松田(1975)]
M=6.69+0.74logD(m) (5) [世界:Wells and Coppersmith(1994)]
を示している。
ここで、福島盆地西縁断層帯において予測される断層の長さ(宮城県を含める)の最大値L=50kmと確認された単位変位量で最も大きい値D=7.5m(大笹生における2回の活動の平均値)から求められる地震規模(M)は以下のように求められる。
式(1)では M=7.66,
式(2)では M=7.05,
式(3)では M=7.24
式(4)では M=8.13,
式(5)では M=7.34,
また、断層の変位量と長さを示す関係式(Wells and Coppersmith,1994)では最大変位量(MD)および平均変位量(AD)は以下の式で示される。
log(MD)=−1.38+1.02log(SRL) (6) log(AD)=−1.43+0.88log(SRL) (7)
ここで大笹生トレンチで得られた断層面沿いの変位量を最大変位量とすれば、上(6)式から求められる断層の延長は100Kmを超える。調査対象とした断層帯が100kmを超えて活動した証拠は得られていないが上式から福島盆地西縁断層帯が南部、北部とも同時に活動して可能性はあり、また、その活動は宮城県白石付近まで連続することも考えられる。