深度 0.15〜 3.80m シルト〜極細粒砂層一部細礫混じり
深度 3.80〜 4.70m 細粒〜中粒砂層一部シルト混じり
深度 4.70〜 16.00m 砂質シルト〜粘土層
深度16.00〜 20.00m 礫混じり細粒〜粗粒砂層
深度20.00〜 24.82m シルト層、一部腐植質、細粒砂層挟在
深度24.82〜 31.02m 細粒〜極細粒砂層、弱腐植質シルト挟在
深度31.02〜 44.09m 礫層、一部腐植質シルト層挟在
深度44.09〜 50.00m シルト層〜シルト質砂層
深度50.00〜 54.24m 細粒〜粗粒砂層
深度54.24〜 55.17m シルト層、一部腐植質
深度55.17〜 56.81m 細粒〜粗粒砂層、下部は礫質
深度56.81〜 57.76m 腐植質シルト層
深度57.76〜 68.20m 砂質シルト〜中粒砂層、一部腐植質
深度68.20〜 70.25m 礫層
深度70.25〜 78.95m 弱腐植質シルト層、細粒〜極細粒砂層挟在
深度78.95〜 82.86m 細粒砂層、一部礫がち
深度82.86〜 85.61m 腐植質シルト層
深度85.61〜 93.30m 礫層、上部はシルト質
深度93.30〜 96.10m シルト層、一部腐植質
深度96.10〜100.00m 礫層
深度6.6〜6.7m、21.4〜21.5mの腐植質部分の試料を採取し、14C年代測定を行った。また、深度10.65〜10.80m、20.10m付近、44.65〜44.75m、46.42m付近には火山灰層が確認された。これらの火山灰については鏡下鑑定を行い。火山ガラスの形態、軽鉱物・重鉱物比の観察を行い10.65〜10.80m、20.10m付近、44.65〜44.75mの火山灰については屈折率の測定を行った。
これらの分析では6.6〜6.7mからは28,650±1,090y.B.P.の年代値が得られ、21.4〜21.5mからは>41,690y.B.P.の年代値が得られた。また、火山灰では10.65〜10.80mの白色火山灰が、重鉱物に角閃石を多く含みその屈折率が1.6795〜1.6824を示すことや繊維状〜スポンジ状の火山ガラスを示すことから約7.4〜8.6万年前(鈴木、他,1995)に御岳からから噴出した御岳−奈川火山灰(On−NG:町田・新井,1992)であることが明らかとなった。
20.10m付近に見られる火山灰は火山ガラスの形態およびその屈折率(1.4975〜1.4993)から横森山火山灰(Arai et al.,1986)である可能性が高い。この火山灰の年代は正確にはしられていないが、早田・西城(1987)は約140,000年前の火山灰としている。
44.65〜44.75mの火山灰については、重鉱物組成および斜方輝石の屈折率(1.7139〜1.7165)から早田・西城(1987)に示された安達火山灰もしくは福島火山灰に対比される可能性がある。
これらの年代値と地層の層相から、深度約5m付近の砂礫層は低位段丘U面の堆積物に対比される可能性が高く、深度16〜20m付近の砂礫層は中位段丘の堆積物に対比される可能性がある。また、深度35〜44mの砂礫層は更新世中期の堆積物の可能性が考えられる。