(2)断層および構造の記載

トレンチ調査の結果、トレンチ内には断層面そのものは出現せず平成8年度に実施したピット調査で想定された断層面はF層中に見られる削り込みもしくは礫とシルト層の斜交関係を示すものと判断される。

トレンチ実施地点が地形的に極めて明瞭な撓曲崖の延長部にあたるにもかかわらず、トレンチ内に見られる地層のうちF層以上あるいはG3層以上のものには著しい変形は観察されない。地表で観察された段差はいずれも人工改変によって生じたものと考えられる。 これに対してG4層以下の地層では、トレンチ中央部付近から北西側で15°程度の傾斜が見られ、より下位のH層では70°の傾斜を示している。この傾斜は古い地層ほど大きな傾斜を示していることから断層運動による累積変位を現わすものと考えられる。