No.6,No.7孔地点における断層崖の高度差は11.26mである。ここから求められる段丘を構成する地形面の高度差は約14.5mとすることができる。断層下盤側のNo.6孔9.2m地点の堆積時代は11,430±50y.B.P.であるが、断層上盤側No.7孔では年代測定試料が得られなかった。従って、この段丘の上盤側と下盤側で共通する時間面を明らかにすることはできないが、地形面の形成時期をほぼ同時とし、年代測定結果からこの段丘面の形成時期を約10,000年前とするならば、この地点における平均変位速度は1.5m/1,000年となるが、この値は周辺地域の調査結果から得られた平均変位量に対して極めて大きい。また、上盤と下盤の同一面の決定がなされていないことから、再検討の必要がある。