3−1−1 調査目的および調査項目
庭坂地区では、更新世後期の泥流堆積物や低位段丘面に明瞭な断層崖が観察され断層位置はほぼ確定されたものとして認識することができる。このため、これらの堆積物の年代値を断層の上盤側および下盤側で確認し、この断層崖あるいは地層の高度差を求めることによって断層の平均変位速度を明らかにし、トレンチ調査等によって得られる単位変位量(垂直変位量)から活動間隔を推定することを目的としてNo.6,No.7孔のボーリング調査を実施した(図3−1−1)。 調査は年代試料を得るために、低位段丘に明瞭な断層崖が見られる地点の断層上盤側および下盤側において、ボーリング掘削によるコア採取を行ない同時にこの2地点の高度差を測量によって求めた。
また、ボーリング調査No.5孔では、8年度実施のボーリング調査によって明らかにされた地質断面の延長上に見られる地形上の最も大きな境界である「崖地形」の成因を検討するためにボーリング調査を実施した(図3−1−1,図3−1−2)。