○ 大佐野地区トレンチ:1層〔約1,500年BP〕は変形していない。
2A層上部〔約16,000年BP〕は変形している。
○ 警固地区ボーリング:ボーリング結果から見ると、博多湾シルト層(6,000年BP〜3,000年BP)中の博多湾における最大海進期の海成層の層準(約5,000年BP)は変位していないと判断される。
○ 地 形 の 変 位:低位段丘面を変位させている。
○ 考古遺物・遺跡:・大佐野トレンチでは、弥生時代と5世紀前半の遺物を含む1層は変形していない。
・文献E、Fで示された断層が横断している水城跡(西暦664年築造)は変形していない。
・警固断層系近傍の筑紫野市、太宰府市、福岡市等の既往の遺跡発掘において、弥生時代より新しい遺跡で地割れや噴出砂等の地震痕跡が確認された事例はない(巻末資料参照)。
以上をまとめると、警固断層系の最新活動時期は、大佐野トレンチで認められた2回のイベントのうちの新しいイベントの時期に相当しており、約16,000年BP以降〜約5,000年BPの間とみてよいと思われる。