警固断層系は、従来からかなりの横ずれ編A成分を有する断層と考えられており、文献Fでは断層を横断する河川の屈曲が図示されている。一方、今回の調査のトレンチにおける断層面の観察では、断層面の条線は水平方向から北0〜45゜程度傾斜していることが確認されており※3、水平方向の変位成分は左横ずれで、変位量は上下方向の変位量に対して上下:水平=1:1以上と判断される。なかでも条線の傾斜の観察値は20〜45゜付近に集中しており、このことから見ると変位成分比は、上下:水平=1:1〜2.7≒1:2とみて、概ね妥当と考えられる。