(7)太宰府市大佐野付近とその南方〔文献Eの大利断層の南端〕

低位段丘面上に東落ちの低断層崖らしきリニアメント(比高1〜2m以下?)が複数認められる。一部では断層の西側が西向きの逆傾斜面となっており、活撓曲の可能性がある。このうちの東側の低断層崖を対象にトレンチ調査を実施し、逆断層の形状の活断層を確認した。一方、西側の“低断層崖”については、ボーリング調査では地層の変位は認められなかった。この結果から見ると、東側の断層崖が活断層としての「本体」と考えられる。このリニアメントは、南方の丘陵地内の細長いグラーベン状の凹地部へ連続している。

なお、文献Eでは、この地域の東方の丘陵と低位段丘面ないし沖積面との境界付近に低位段丘面に変位が認められるとして、南方へ延びる「武蔵断層」(この地域は、その北部にあたる)を認定している。今回の調査では地形境界がリニアメントとして認められたが、断層変位地形としては認められなかった。