4−3 広域地形調査に基づく詳細調査地の選定

前章で述べた広域の地形・地質調査、文献調査、重力探査結果に基づき、図 − に示す5地点を詳細調査地として選定した。選定理由とトレンチ掘削に関す

る評価は次の通りである。    

@ 太宰府市大佐野地区

低位段丘面の撓曲構造等、比較的明瞭な断層変位地形が認められる。市街地に近いが、未利用地ないし水田もあり、トレンチ掘削も可能である。

A 筑紫野市上古賀地区

断層崖らしき明瞭なリニアメントが認められる。水田においてトレンチ掘削が可能である。

B 春日市須玖地区

断層崖らしきリニアメントが認められる。阿蘇−4火砕流堆積物の伏在が確認されているので、これを鍵層としてボーリングによってこの時代以降の変位量が確認できる。市街地のため、トレンチ掘削は困難である。

C 福岡市警固地区

地下地質データを基に、おおよその断層位置は把握できている。縄文海進時の海成層(博多湾シルト層)が伏在していると推定され、これを鍵層として完新世の断層活動の有無が評価できる。市街地のため、トレンチ掘削は困難である。

D 太宰府市水城地区

警固断層主部と平行する断層(文献Eの大利断層)の存在について検討するために選定した。電気探査による概査のみを行う。

次に各地区の調査結果をまとまた。