また、文献FではAso−4堆積後の平均変位速度を15p/1,000年としており、文献D、E中の図から読み取ったAT火山灰以降の平均変位速度は5p/1,000年となる。
一方、今回調査で得られた変位量のデータ(表3−5−2)から断層の平均変位速度を求めると、表3−5−3のようになる。
表3−5−3 断層の平均変位速度
このうち、年代的に最も信頼性の高いAT火山灰の変位量から見ると、ボーリング調査の精度を考慮して、平均変位速度は約20p/1,000年と評価できる。
従来から水縄断層系は活動度B級とされてきているが、今回の検討でも同様の評価となる。他の値にはこれよりかなり小さいものもあり、ばらつきが大きいが、20p/1,000年という値は、概ね中間的な値となっており、評価としては妥当と思われる。