(5)吉井町福益〜浮羽町小坂

山麓部に、文献@、A、Bで福益・屋部及び流川断層として示された断層に相当すると思われるリニアメントが、福益付近では扇状地面上の低崖及び尾根筋の鞍部の連続として、屋部及び流川付近では扇状地面上の低崖として認められる。走向は全体的にはE−Wであるが、屋部付近ではNNW−SSEからNNE−SSWとふれ、山側に湾入する形状を示している。

福益地域では、このリニアメントの延長上の谷沿いの沖積面上でトレンチ調査を実施したが、断層を確認することはできなかった。ただし、基盤上面には小さな不陸があり、この部分での断層の存在は完全には否定できないと思われる。

また、この付近で実施した物理探査(重力探査、浅層反射法、CSAMT)※では、山麓部の地形的リニアメントよりさらに低地側に、基盤上面の最大低下をもたらしている断層が存在することが確認されたが、この断層に相当する位置には明瞭なリニアメントは認められなかった。

※応用地質(株)と九州大学・茂木先生の共同研究として実施。