この位置より南方にも南筑高校の北側で上記断層から分かれて、ほぼ東−西に近い方向で国道沿いに断続的に高良川付近まで延びる比高数mの低崖が見られる。これは文献Fの千本杉断層に相当する位置である。この低崖は、筑後川の浸食の影響も受けていると見られるが、その直線性から見て、断層崖の性格を持つと思われる。このリニアメント上の遺跡では、弥生時代の遺溝が断層で切られているものが確認されており、松村(1990)で、西暦679年の筑紫国地震の活動によるものとされている。
なお、文献Fに示された合川断層に沿う地域には、断層変位地形は確認されなかった。
以上のように地下地質から推定された文献Fの3条の断層のうち、南側の2条については、地形的にもほぼ確認できた。特に朝妻断層については、さらに西方へ0.8q程度延びると判断した。断層の方向は、NNW−SSEないしE−Wである。