本地区は、文献@〜Cの「福益断層」(吉井町富永〜浮羽町流川)の西端部に位置している。山麓には扇状地がよく発達しており、吉井町百年記念公園から安富公民館にかけては中位ないし低位扇状地面が、熊野神社山側から福富小学にかけては低位扇状地面が広がっている。この2地域の扇状地を形成した河川形は別のものであるが、どの流域でも低位面は4面(L1〜L4)に細区分される。この扇状地面を開析して現河川沿いに沖積面が広がっている。低位面上に比高1〜3mの低崖が東西方向に連続して見られ、リニアメントをなしており、断層崖の可能性が高いと思われる。浮羽町老人ホーム南方のリニアメントと西袋田ため池南方のリニアメントの位置は若干食い違っており、間の尾根部にはいくつかの鞍部があるが、両リニアメントの関係は明らかではない。
なお、2章で述べたように、本地区では県道浮羽草野久留米線のやや北方に基盤の最大低下部をつくる断層が存在していると推定されるが、この付近には地形的なリニアメントは認められない。