(5)若宮町乙野〜同町脇田
乙野では、遷緩点の連続並びに河谷の弱い左横ずれが認められる。また、乙野団地の東側には、段丘面上に逆向き(北東隆起)の低断層崖が認められ、地溝状の地形をなしている。この逆向き低断層崖は、文献@、Aにも脇田断層として示され、中位段丘面の縦ずれ変位量から平均変位速度(<0.3m/103年)が算出されている。しかし、今回の調査結果から断層によって変位している面は、高位面(古期段丘礫層)であることが明らかとなった。また、脇田温泉の犬鳴川左岸側では、現在では造成等により改変され、わかりにくくなってはいるが、空中写真(S.27)判読によると、低位面(新期段丘礫層構成面)中に明瞭な低断層崖が認められる。