2−2−1 文献調査結果

表2−2−1−1に西山断層系に関する既往文献の記載内容を整理した。また、これらの文献が示す活断層の位置は、既出の図2−1−1に示した。各地域における西山断層系についての記述を以下にまとめる。

A.津屋崎町付近

同系統の4条の断層が記述されている。確実度は、須多田−冠間の断層(確実度W)を除きUとされており、中〜高位段丘面の北東側上り、尾根・河谷の左横ずれをもとに断層の存在が示されている。

B.福間町−若宮町付近

西山断層の模式地を含み、確実度は一部を除きTである。福間町付近では南面側上りの低断層崖、福間町から若宮町にかけての山地部では、河谷の左横ずれ屈曲から、断層の存在が示されている。脇田付近でみられる低断層崖は、北東側上りで逆向きとされている。

C.飯塚市西部

西山断層系の延長として飯塚西断層系と呼称されている。連続性のよくない明星寺断層を除き、確実度T〜Uとされている。北部では河谷の左横すれや直線谷から、南部では南西側上りの中位段丘面の存在から断層が想定されている。

断層変位地形が比較的明瞭なb・cの地域については、中位段丘面の変位量をもとに活動度は、B〜C級と評価されている。