3−4 福井平野東縁断層帯に属する各断層の関連について
今回の調査の結果、福井平野の地下に分布が示された3条の断層は、いずれも東側上がりの鉛直変位成分を持つものの、水平成分については、F−1は1948年福井地震後の測量結果から左横ずれが卓越する可能性がある一方で、F−3では地形から判断される横ずれ成分は認められない。このことから、F−1とF−3は断層センスが一致しない可能性がある。F−2の変位の水平成分については不明である。以上のことから、福井平野東縁断層帯と呼ばれている断層群は、同じ活動様式を持つ断層の集合体として評価できない可能性がある。すなわち、各々の断層は、必ずしも同じ時期に同じようなメカニズムで活動してはいない可能性も考えられる。