(2)S波反射断面の再解析結果

平成9年度に実施したS波反射法弾性波探査測線に沿って実施されたボーリング調査の結果、測線の東側で、砂礫層の上面境界と解釈された反射面深度に基盤岩(浄法寺累層)が確認された一方で、測線の西側では、その反射面と一連と解釈された反射面が砂礫層上面境界に対応することが明らかとなった。

一連と解釈された反射面が、測線の途中で基盤岩と砂礫層に対比されたことから、特に測線中央付近のフィルターパラメータや速度解析を見直して再解析を行った。深度変換は、付近にPS検層結果等がないため、P波測線で得た速度データおよび速度解析結果や地層境界深度を参考に行った。再解析した結果、振幅強度をカラー表示した反射断面を図2−14に示す。

また、再解析結果やボーリング結果をもとに解釈した結果を図2−15に示す。測線中央付近で振幅の強い東側の反射面(緑色の線)は急激に西側に傾斜し、また、その反射面に、同じく振幅の強い西側の反射面(赤色の線)がアバットしている。さらに、測線中央付近には、明瞭ではないが、急角度に東傾斜した反射イベントが認められる。このようなパターンから、当該部にf−1およびf−2の2条の断層を推定した。

反射断面からは、第四紀層の基底深度は西に向かって急激に深くなり、f−1を境に西側に基盤岩、東側に第四紀層の分布が予想されるが、U層より上位の第四紀層中には明瞭な断層変位は認められない。