0 まえがき

1948年の福井地震(M 7.1)の際には、福井平野中央部で明瞭な地震断層は確認されなかったものの、地割れおよび噴砂等の地変の分布と測地による地表の動きから、地下にこの地震を引き起こした断層が推定された。

一方、福井平野東縁の平野と山地との境界は、ほぼ北北西−南南東方向の明瞭な直線をなし、同箇所に北から剣ヶ岳断層、細呂木(ホソロギ)断層、篠岡断層、松岡断層の活断層が分布している(「日本の活断層」、活断層研究会編、1980、1991)。いずれも確実度U、活動度B〜C級の活断層とされているが、過去の地震活動等の詳細は明らかにされていない。

福井県は、福井地震を引き起こしたとされる断層を含めた福井平野東縁の断層帯の諸性質を調べ、地震防災対策等に活用することを目的として、平成9〜10年度にわたって活断層調査を実施した。本報告書は、この調査成果を取りまとめたものである。