3−4−1 探査仕様

選定した探査仕様は以下の通りであるが、測線長、測定点間隔その他主要な項目についてその選定経緯などについて説明する。

・測線長 :0.25km

・対象深度   :深度50m程度以浅

・受振点間隔  :2m

・発振点間隔  :2m

・受振器  :上下動ジオフォン 固有周波数30 Hz 

2個グループ 直線配列横向き設置

・チャンネル数  :126ch 固定

・震源  :油圧バイブレータS波震源

・発振周波数  :10〜200 Hz  10秒間スイープ

およびスイ−プ長

・展開方式  :インラインオフセット

・最小オフセット  :0m

・垂直重合数  :10回〜1回(地下埋設物および反射信号強度により変更)

・記録長    :1秒

・サンプリング間隔 :1ミリ秒

(1)測線配置および測線長

探査測線は空中写真判読や地表地質踏査結果をもとに、篠岡断層北縁、福井東側地震断層トレース位置を概ね測線中央に置き、東西方向で計画・配置した。現地視察から、リニアメントに沿って扇状地面上に変形が認められた地点に注目し,地形の傾斜変換点を中心に測線を設定したが,本地域においては変位地形が明瞭でなく,地形的な変形の幅が広いことから,委員会要請を受け、当初計画数量より多い約0.25kmの測線長とした。

(2)対象深度および波動の種類

測線設定位置より約200〜300m離れた既往ボーリング結果では、深度60mまで着岩していないことなどの資料(図3−4−2)をもとに、対象深度は約50mと計画・選定した。

地下浅所の調査であり、用いる波動はS波を選定した。

(3)受振点・発振点間隔および同時計測チャンネル

深度50m以上のデータ取得も考慮して、受振点・発振点間隔は2m、同時計測チャンネルは固定の126チャンネルを選定した。

(4)受振器および震源

反射信号は微弱であることから、1測定点で2個の受振器を配置してそれらを足しあわせるグルーピング設置とした。受振器の固有周波数は、地表付近の地層が柔らかいことも考慮して30Hzを選定した。

(5)震源

発振信号を制御することにより、探査目的、対象深度に対応可能なバイブレータ震源を選定した。

発振周波数やスイープ長および垂直重合数などは現地テストにより、最適なものを選定した。

ただし、当該道路は探査直前に舗装工事が実施されたこと、用水の埋設管が地下1m前後にあることなどから、工事検査終了を待って、かつ実施前に福井県坂井農村整備事務所の立ち会いを受けた。主に埋設管への配慮から、発振点直下に埋設管がある地点での垂直重合数は1〜2回と変更した。

(6)記録長、サンプリング間隔その他

記録長、サンプリング間隔およびその他は、一般的な仕様を採用した。