(2)調査結果

既往ボーリングと対比した深度断面図を図1−10に示す。調査地近傍には既往ボーリング資料はなく、測線始点より300m西側および終点より300m東側が最も近い資料であった。断面図では、一連と考えられる反射面に黄橙色、橙色および桃色で着色した。

@近隣のボーリング結果や屈折波速度、データ処理の速度解析結果および地表地質踏査結果より、得られた反射面は以下の地層境界に該当すると推定される。

・反射面(黄橙色) : 第四紀層の粘土層と砂層などの地層境界

・反射面(橙色)  :   第四紀層に相当する砂礫層の上面境界

・反射面(桃色) :   第三紀層(浄法寺累層群)の上面境界

B測線140m付近を境として反射パターンが異なり、東側では標高0mから下位に第三紀層が分布するが、西側では標高ー40mまで第三紀層が分布しておらず、この付近に福井東側地震断層(赤色)が分布すると推定される。

C地層境界は、西側に比べ東側が相対的に高くなっており、断層は東上がりの断層センスを示す。

D福井東側地震断層が推定される測線60〜150m区間では、砂礫層上面境界に対応する反射面は西側に傾斜している。しかし、当該区間では、明瞭な反射面の食い違い等は認められず、地下浅所の地層は撓曲構造の可能性がある。

E測線150m付近には、赤色の波線で示す反射不連続が認められる。この不連続は、小笠原(1949)に記載されている西上がりの断層と調和的であり、福井東側地震断層に関連した副次断層の可能性が考えられる。