福井平野東縁の平野部と加賀越前山地・中央越前山地との境界付近には、山地と平野を限る逆断層の剣ヶ岳断層、細呂木断層、篠岡断層および松岡断層が推定されている。また、1948年の福井地震の際に生じた福井地震断層および福井東側地震断層はこれらに隣接し、平行している。これらを総称して福井平野東縁断層帯と呼ぶ。この断層帯は福井平野の形成に関連するものと考えられている。
福井地震断層は、1948年の福井地震の際に活動した断層であるが、福井平野には完新統〜更新統の未固結堆積物が厚く、地表地震断層は現れていない。このため、断層の詳しい位置や動きについては未だ不明な点が多くある。また、同時に動いたとされている福井東側地震断層については、断層の位置や地震の時の動きなどについてはほとんど明らかにされていない。
一般に活断層の活動間隔が千年〜万年単位であることを考慮すれば、福井地震断層は今後しばらくの間は大地震を発生させることはないと考えられる。しかし、大災害をもたらした断層を明らかにすることは、今後の都市防災の上で重要であり、さらに福井地震断層と福井平野東縁断層帯に属する他の断層との関係も調べる必要がある。