(4)ピット1の火山灰分析結果

(a)試料採取

本流性低位段丘と区分した面上(ピット1、(STA5))で、最小10cm間隔で試料12個採取した(図2−12)。

(b)結 果

分析結果は、図2−12に示している。

下位の低位段丘堆積物〜土壌中にAT火山灰起源のバブルウォール型の火山ガラス(屈折率1.4993〜1.4999)が多産する。この他、段丘堆積物上の旧表土から斜方輝石付着ガラス(屈折率1.5030〜1.5041)、緑色普通輝石、斜方輝石の産出があり、大山笹ヶ平(DSs、別称大山ホーキ火山灰、約20,000y.B.P.)起源の火山灰と同定される。最上位の腐植土にはアカホヤ火山灰(屈折率1.5094)も少量混在する

以上の火山灰分析結果から、本流性低位段丘はAT火山灰降灰直後の僅かな時間間隙後に離水した堆積物と考えられる。