以下、各層の分布、層厚、堆積状況、岩相、地質時代などについて述べる。
(a)B層の特徴
B層は調査海域の基盤岩類であり全域で分布が認められるが、上位層に覆われて海底には露出しない。本層は沖合部では褶曲した層理を示し、沿岸部では無層理を示す場合が多いが、両者の境界は明瞭でない。
B層は周辺の陸・海域の地質資料などから、無層理を示すものが新第三系〜先新第三系の火成岩または堆積岩、褶曲した層理を示すものが新第三系の堆積岩と推定される。
(b)P層の特徴
P層は調査海域の全域で海底に分布する。本層はB層を顕著な不整合関係で覆い、層内にみられる軽微な不整合などによりP1〜P4層の4層に細分される。
P層は沿岸部では沖合方向に向かって厚くなる傾向を示し、大陸棚外縁付近では最大層厚(約700m)に達するが、さらに沖合部は層厚の変化に乏しく概ね500m前後である。
P層は沿岸部では沖合方向へ向かって発散状に傾斜する層理、前置層的層理を示すが、沖合部ではほぼ水平で静穏に堆積する傾向がみられる。また、大陸棚外縁付近では顕著な乱堆積構造がみられるが、その下位の基底面が水平で変化がみられないことから、構造運動に起因するものではなく、海底地滑りなどに起因するものと考えられる。
P層は周辺の陸・海域の地質資料などから、第四紀の未固結または半固結の堆積物と考えられる。
上述の各層の層序と文献の地質層序との対比を表2−3−3−4に示す。