(2)海底地形

調査海域の海底地形は海上保安庁水路部により調査されている。それらの調査海域位置図を既に示された図1−2−1に、調査名を以下にそれぞれ示す。

   ・海上保安庁水路部(1974):20万分の1海底地形図「ゲンタツ瀬」3)

   ・海上保安庁水路部(1980):5万分の1海底地形図「若狭湾東部」6)

上述の文献資料により編集した前面海域の海底地形は、図2−3−3−3、付図1に示し、その概要は次のとおりである。

調査海域である若狭湾北東部およびその北方海域は、典型的なリアス海岸で特徴づけられる若狭湾南部〜西部と比較して、直線的な海岸線を示す。海底面は大陸棚および大陸縁辺台地とに大別され、越前岬を境にしてその北側の北部海域と南側の南部海域とでやや様相を異にする。なお、大陸縁辺台地は岩淵(1973)2)により命名され、能登半島から隠岐島の間にのみ見られる特異な地形である。

北部海域は大陸棚外縁の傾斜変換部が判然とせず、海岸線から大陸棚を経て沖合の大陸縁辺台地にかけてほぼ一様な傾斜を示す。

南部海域は北東−南西方向に延びる水深120〜200mのやや急な斜面を境に、以浅の大陸棚および以深の大陸縁辺台地とに分けられる。大陸棚は南部では幅が最大約15kmに達しているが、北部に向かって幅が次第に狭くなり、越前岬沖ではほとんど平坦面が認められない。大陸棚の海底面は越前岬南西方から干飯埼西方にかけて分布する比高5〜20mの緩い段差を境に、西方に傾斜する上段と北西方に傾斜する下段とに区分される。また、沿岸部は全般的に約1kmの幅でやや急な斜面が分布しており、その勾配は越前岬および干飯埼付近で最大約90/1,000に達する。大陸縁辺台地は、大陸棚から比高約80mの斜面を降りた水深200m以深に発達し、北西に向かって緩やかに傾斜しており、最深部は約250mに達している。