1−4−2 海域調査の結果

海域に分布するとされる甲楽城断層の性状とその北方への連続性を把握するため、断層とほぼ直交する7測線を設定し、海底下の浅部を対象とした表層音波探査および深部を対象としたマルチチャンネル音波探査を実施した。付図2−1付図2−2付図2−3付図2−4付図2−5付図2−6付図2−7付図2−8付図2−9付図2−10付図2−11付図2−12付図2−13にマルチチャンネル音波探査記録を示す。

表層音波探査では調査船では、調査線の船側に音波の送受信機を設置し、マルチチャンネル音波探査では音源となるウォ−タ−ガンおよハイドロフォンを後方に曳航して調査をおこなった。音波探査とは海面付近で音を発生させ、海底面や海底下の地層境界で反射し、戻ってきた音波をハイドロフォン等で捉えることにより、海底下の地質構造を明らかにする手法であり、これにより断層の位置や性状を明らかにすることができる。また、今回おこなった調査に加え、この地域で既に実施されている海上保安庁水路部のシングルチャンネル音波探査記録を再解析し、断層の詳細な解析をおこなった。

なお、干飯崎から大谷までの明瞭な断層海岸とされる区間では、同断層は海岸に近接して通るため、音波探査は技術的に困難であり、調査対象から除外した。