(2)海域主要文献の概要

断層を図示している主なる文献は、活断層研究会、地質調査所、海上保安庁水路部によるものである。これらのうち、活断層研究会は海上保安庁水路部およびその他の音波探査記録を解析して、縮尺100万分の1などで日本周辺海域の活 断層分布図を作成している(図1−3−2−1)。

その他の文献は海底地質図、断面図などに断層を図示している。文献断層を図示している文献名および断層が図示されている図面の縮尺は、下記のとおりである。

活断層研究会編(1991):9)[新編]日本の活断層(100万分の1, 約33万分の1) 分布図と資料 東大出版会,437p.(図1−3−2−2

脇田浩二・岡村行信・粟田泰夫(1992):20)日本地質構造図(300万分の1). 朝倉書店,地質調査所編,日本地質アトラス(第2版).(図1−3−2−3

海上保安庁水路部(1980):6)沿岸の海の基本図(5万分の1)「若狭湾東部」 海底地形図,海底地質構造図および調査報告.63368号. (図1−3−2−4

これら文献の内、第四紀に活動した活断層を明示している文献は、活断層研究会 (1991)および脇田他(1992)である。海上保安庁水路部(1980)では断層の活動時期を示していないので、地質図・断面図、説明書などにより判断した。

なお、断層の表示方法は、一般に相対的な落下側にケバが付けられているが、脇田他(1992)は、左横ずれ断層として表示しており、相対的な落下側を示していない。

これら文献に記載された断層の位置図を図1−3−2−5に、一覧表を表1−3−2−1にそれぞれ示す。なお、これらの図表に示された断層には、下記のとおり文献別に整理番号を付した。

海上保安庁水路部(1980):FHL1−9

脇田浩二・岡村行信・粟田泰夫(1992):FGA1

活断層研究会編(1991):FAR1

甲楽城断層は活断層研究会(1991)、海上保安庁水路部(1980)により干飯崎沖から南東方の越前海岸沿いに図示されている。その北方延長については活断層研究会(1991)が越前岬沖〜干飯崎沖にかけて弧状の断層を図示しているのに対し、海上保安庁水路部(1980)は北方に連続する断層を図示していない。