5−5−3 まとめ

岡田(1992)などの指摘の通り,中央構造線活断層系は,池田断層の四国中東部の活動度が高く,西へ向かうにしたがって,活動度は低下し,地震規模は小さくなっていくと推定される。

中央構造線活断層系から発する地震規模については,小セグメントが個別に活動する場合から,いくつかのセグメントが連続する場合を考慮すると数多くのケースが想定される。

「5.2 セグメント区分と地震規模」で検討した結果をもとに,想定地震規模を表5−5−2にとりまとめる。

表5−5−2によれば,

(1) 伊予断層,川上(重信・北方)断層,小松断層は,個別にM7クラスの地震を発生する可  能性が高いと考えられる。しかしながら,これらの活断層が連動して活動する可能性も否定  できない。特に,川上(重信・北方)断層と小松断層の連動について,肯定的な見解,否定  的な見解の両論があるので,これを考慮して連動する場合の地震規模も示した。

(2) 岡村断層は単独のセグメントとして活動する可能性が高い。地震規模は,断層長からM7.3以上,単位変位量からM7.9と推定されるが,全体として,M7.5クラスが妥当と思われる。

(3) 石鎚・畑野・寒川・池田・三野断層は,個別のセグメントと認定し難いため,1つのセグメントとして評価する。池田断層は三野断層と連結したセグメントと評価されているため,総延長82kmで1つのセグメントとして評価する。

表5−5−2 セグメント区分と想定地震規模(案)