(2) 後藤・中田(1997)は,ジオスライサー調査から過去3,000年間に3回のイベントを認定し,最新活動時期を1,500〜1,744AD以降と報告している。
(3) 後藤ほか(1999)は,ジオスライサー調査から,池田断層の最新活動時期を中世以降と推定している。
(4) 上石床西トレンチ調査から,池田断層の活動履歴を,以下のように推定した。
@ 最新活動時期:560±70〜30±50yBP(AD1,450〜1,690年)
A 1つ前の活動時期:1,510±40yBP〜1,290±90yBP(AD600年前後)
B 活動間隔:730〜950年
(5) 池田断層の南400mに位置する丸山遺跡が弥生時代中期後半より後の時代に地すべりによって変位を受けている(地質調査所,1993)。
(6) 平山トレンチ調査から,池田断層の活動履歴を,以下のように推定した。
@ 最新活動時期:610±50yBP〜190±40yBP(AD1,420−1,645年)に地震動?
A 1つ前の活動時期:1,120±70yBP(AD765−1,025年)前後
B 2つ前の活動時期:2,930〜1,120yBP
C 活動間隔:約500〜1,000年
(7) 江戸時代以降の地震は,歴史資料の漏れが少ないと考えられる。
以上を総合し,池田断層の最新活動時期を,以下のように推定する。
@ 最新活動時期:560±70〜190±40yBP(16世紀頃)
A 1つ前の活動時期:1,120±70yBP(AD765−1,025年)前後
B 活動間隔:約500〜1,000年
C 経過時間率:0.4〜0.5(最新を16世紀と仮定して)