5−3−1 伊予灘〜伊予断層

伊予灘における活断層の分布は,四国電力(1984),小川ほか(1992),国土地理院(1992),露口(1996)(図5−3−1),大野ほか(1997)(図5−3−2),Ohno et al.(1998)(図5−3−3),愛媛県(図5−3−4)によって検討されている。

これらによると,伊予灘における海底活断層の分布形態は,以下のようにまとめることができる。

(1) 西部セグメント

@ 区間:三崎町以西

A 長さ:10km

B 走向:

C 上下変位:

D 特徴:分散的分布

(2) 中央部セグメント

@ 区間:三崎町〜双海町串沖

A 長さ:46km

B 走向:N60°E

C 上下変位:南側隆起

D 特徴:小規模地溝雁行配列

(3) 東部セグメント

@ 区間:双海町串沖〜双海町上灘沖

A 長さ:6km

B 走向:東西走向

C 上下変位:北側隆起

D 特徴:引張性バリア

(4) 伊予断層の延長部のセグメント

@ 区間:双海町上灘沖〜伊予市三秋沖

A 長さ:12km

B 走向:N60°E

C 隆起方向:米湊断層が南側隆起を分担

D 特徴:地溝形成

このうち,(4)の連続性は平成9年度の調査によって,伊予断層の海域部への延長部と判断されている(図5−3−4)。

また,(1),(2),(3)については,中央地のセグメントが主たるセグメントで,西部もしくは東部が連動する可能性もある。この場合,(2)が右横ずれ断層の中央部,(1)が西端部(分岐),(3)が東端部(北側隆起)で,伊予断層との間の引張性バリアに相当する(図5−3−5)。

図5−3−1 露口ほか(1996)による伊予灘海底活断層の分布形態とセグメント区分

図5−3−2 大野ほか(1997)による伊予灘海底活断層の分布形態

図5−3−3 Ohono et al.(1998)による伊予灘海底活断層のセグメント区分

図5−3−4 伊予断層と上灘沖の海底活断層との連続性(愛媛県,1998)

図5−3−5 伊予灘海底活断層のセグメント区分(Ohno et al.,1998に加筆)