これらによると,伊予灘における海底活断層の分布形態は,以下のようにまとめることができる。
(1) 西部セグメント
@ 区間:三崎町以西
A 長さ:10km
B 走向:
C 上下変位:
D 特徴:分散的分布
(2) 中央部セグメント
@ 区間:三崎町〜双海町串沖
A 長さ:46km
B 走向:N60°E
C 上下変位:南側隆起
D 特徴:小規模地溝雁行配列
(3) 東部セグメント
@ 区間:双海町串沖〜双海町上灘沖
A 長さ:6km
B 走向:東西走向
C 上下変位:北側隆起
D 特徴:引張性バリア
(4) 伊予断層の延長部のセグメント
@ 区間:双海町上灘沖〜伊予市三秋沖
A 長さ:12km
B 走向:N60°E
C 隆起方向:米湊断層が南側隆起を分担
D 特徴:地溝形成
このうち,(4)の連続性は平成9年度の調査によって,伊予断層の海域部への延長部と判断されている(図5−3−4)。
また,(1),(2),(3)については,中央地のセグメントが主たるセグメントで,西部もしくは東部が連動する可能性もある。この場合,(2)が右横ずれ断層の中央部,(1)が西端部(分岐),(3)が東端部(北側隆起)で,伊予断層との間の引張性バリアに相当する(図5−3−5)。
図5−3−1 露口ほか(1996)による伊予灘海底活断層の分布形態とセグメント区分
図5−3−2 大野ほか(1997)による伊予灘海底活断層の分布形態
図5−3−3 Ohono et al.(1998)による伊予灘海底活断層のセグメント区分
図5−3−4 伊予断層と上灘沖の海底活断層との連続性(愛媛県,1998)
図5−3−5 伊予灘海底活断層のセグメント区分(Ohno et al.,1998に加筆)