畑野断層の走向・傾斜は,西谷川河床部の断層露頭からN80゜E・70゜Sであると推定されている。また,西谷川左岸の工場敷地裏の切土法面で,第四紀後期の活動を示す断層が確認されている(Grapes and Takahashi,1987)。
寒川断層は,伊予三島市豊岡町岡銅から伊予三島市寒川町にかけて約4qにわたって分布する。空中写真判読調査では,高位・中位・低位段丘面と沖積面との地形境界,低位段丘面上,沖積面上にA,Bランクのリニアメントが判読される。寒川断層は北側低下のセンスを有するが,東端部となる寒川町西原付近では南側低下のセンスを示す。
畑野断層と寒川断層は断続的にほぼ一直線に分布することから,両断層は一つのセグメントを形成するものと考えられる。