平成10年度には西条市氷見で反射法地震探査(1測線,700m)を実施した。
当測線は,地形判読で断層と推定される北西〜南東方向に延びるリニアメントを横断するが,地下深部につながる断層は確認できず,当リニアメントは侵食崖である可能性が高いと判断される(図4−4−6)。
A トレンチ調査結果
平成10年度には,土居地点でトレンチ調査を実施した。
[土居トレンチ]
西条市土居地点は,沖積面上の比高1m程度の北向きの低崖を対象にトレンチ調査を実施した。その結果,ほぼ鉛直で南側隆起の変位を示す3条の断層(北からF3,F1,F2断層)を確認することができた。これらの断層のうち,F1,F2断層は,耕作土直下の地層まで変位を与えており,沖積堆積物中に4回の活動履歴が解読できる(図4−4−7)。
14C年代測定による本トレンチの堆積物の年代値とイベント解析から,本トレンチにおける小松断層の活動履歴は以下のとおりである。
@最新活動時期:1,770±400y.B.P.以降
A1つ前の活動時期:4,070±60〜1,770±40y.B.P.
B2つ前の活動時期:4,000y.B.P.前後
C3つ前の活動時期:5,050±60〜4,070±60y.B.P.