(1)分布形態

小松断層は,丹原町臼坂から西条市宮の下にかけて延長約15kmにわたって分布する。空中写真判読調査では,丹原町湯谷口から西条市氷見にかけて,中山川沿いの沖積面上に変位地形の可能性の高いリニアメント(比高1〜2mの低崖に対応)が,N60°Eの走向でほぼ一直線状に判読される。

断層面の走向はN70〜80゜Eとほぼリニアメントの走向と一致し,高角度で北へ傾斜している。

丹原町湯谷口の中山川左岸において,沖積礫層が断層変位を受けている露頭が確認された(岡田,1977)こと,西条市氷見トレンチで小松断層の最新活動時期が1,900〜1,200年前であること(堤ほか,1998)から完新世の活動が判明している。