(1)地  形

本地域は,石鎚断層崖の北方にあたる複合合流扇状地性の平野で,北流する大谷川や石床川によって低位段丘面や沖積面が形成されている。低位段丘面上には,リニアメント(Aランク)が判読される。このリニアメントは,比高0.2〜2.0mの南側低下の逆向き低崖からなる。

低崖は,北流する河川とほぼ直交する東西方向に連続している。また,低崖をはさんで同時代に形成されたと考えられる地形面は,地形面の傾斜と逆に南側が低下している。さらに,低崖の南には陥没池が形成されていること,西方の大谷川に約80mの右横ずれ変位が認められることから,低崖は侵食により形成された侵食崖であるとは考えにくく,断層運動により形成されたものと判断される。

低断層崖の延長上となる開析谷では,1996年に広島大学によりトレンチ・ジオスライサ−調査が実施されており,最新活動時期に関するデータが得られている。