(2)地質構造
レンチ西方の法面に露出する岡村層相当層には,走向・傾斜N80゜E・50°Sを示す断層が発見された。この走向方向は,リニアメントの延長方向と調和的であるが,断層変位地形を反映する低崖より南へ約12mの位置にあたる。したがって,本断層は寒川断層本体ではなく,寒川断層より派生した断層であると推定される。断層に沿って全ての地層は切断されており,全体に北に緩く撓曲しているのが認められ,偏平礫は断層に沿って再配列している。本露頭を含む地塊の上部は,高位段丘面を形成していると推定されることから,寒川断層より派生した本断層の活動は岡村層相当層形成時期である,鮮新〜更新世に活動したと推定される。