@ A層(シルト混り砂礫層)
A層は,オリーブ色(5Y5/6)を呈した,やや締まったシルト混り砂礫からなる。層厚は2m以上確認できる。礫は径30cm程度(巨礫サイズ)の結晶片岩質礫を主体とし,偏平状の礫形を示すものが多い。基質は,淘汰の悪い細粒砂〜粗粒砂からなり,シルト分を少量混入する。
礫の面構造は,断層付近で40゜程度の北傾斜を示すが,断層から離れる(北側)に従って水平に近くなる。
A B層(シルト質砂礫)
B層は,オリーブ色(5Y5/6)を呈した,やや締まったシルト質砂礫からなる。層厚は3m以上確認できる。礫は径30cm程度(巨礫サイズ)の結晶片岩質礫を主体とし,偏平状の礫形を示すものが多い。基質は,A層に比べシルト分を多く混入する。粒度は下位ほど大きく,上位ほど細粒となる上方細粒化が見られる。
B C層(シルト混り砂層)
C層は,オリーブ灰(10Y5/2)を呈した,シルト混り砂からなる。層厚は最大で,12cm程度であるが,著しい変形を受けて概ね数cmの薄層となり断片的に連続する。砂は淘汰の良い極細粒砂〜細粒砂からなり,一部堆積構造(ラミナ)が見られる。
C D層(粘土層)
D層は,オリーブ灰色(10Y5/2)を呈した,粘土層からなる。断層を挟んで北側では幅30cmの層厚を示すが,南側では著しい変形を受け概ね2〜3cm程度で断片的に連続する。径1cm程度の結晶片岩,偏平状礫を希に混入する。
D E層(砂礫層)
E層は,灰黄褐色(10YR4/2)を呈した,やや締まった砂礫層からなる。断層を挟んで南側にしか分布せず,概ね3〜15cm程度の層厚で断片的に連続する。礫は径5mm以下の細礫サイズを多く含む。
E F層(風化流紋岩礫)
F層は,暗赤灰色(5YR5/6)を呈した,風化流紋岩礫からなる。断層を挟んで南側しか分布せず,概ね3〜15cmの層厚で断片的に連続する。流紋岩礫は,強風化を受け礫芯まで軟質である。
F G層(砂質シルト層)
G層は,鈍い赤褐色(5YR4/4)を呈した,砂質シルトからなり,本露頭に露出する地層のうち最下層を構成する。礫は,径3〜5cm(中礫サイズ)程度の結晶片岩礫を希に混入する。礫は風化著しくハンマーで容易に削ることができる程度に軟質である。層厚は0.7m以上である。