Os−1,Os−2,Os−4にかけて分布する沖積層,LV段丘相当層および中位段丘相当層は北へ緩やかに傾斜しながら,側方への連続性も良い。一方,Os−3は,Os−1,Os−2,Os−4と比較して層相が異なり,Os−3とOs−4との間では,地層の側方への連続性が絶たれているものと推察される。
したがって,Os−3とOs−4との間に,断層が存在する可能性が高いものと考えた。
トレンチ実施後
トレンチ調査で断層が確認できなかったため,トレンチ地点の南の低崖(比高約1.6m)が断層崖であるかどうかを確認する目的で,Os−5(調査深度7.0m)のボーリングを追加した。
低崖より北側のボーリング孔Os−1,Os−2,Os−4,Os−3には沖積層,段丘堆積物が分布し,北へ緩やかに傾斜している。一方,低崖より南側のボーリング孔Os−5には,沖積層の下位に岡村層相当層が分布し,低崖より北側の層相が異なる。また,Os−5の沖積層基底面の標高は25.15m(深度は1.8m),低崖下に位置するOs−3の沖積層基底面の標高は,24.07m(深度1.2m)で比高約1.1mの高度差が認められる。
また,Os−3の深度0.95m〜2.15m区間に認められる腐植質シルト層が,崖上の Os−5では認められないことから,Os−5とOs−3間の比高約1.5mの低崖付近を断層がとおる可能性が高いと考えられる。