(1)地  形

調査地域は石鎚断層崖の北方にあたる。都市圏活断層図「新居浜」(国土地理院,1998)によれば,寒川断層は丘陵地と平野との地形境界を通っている。寒川断層の南に分布する丘陵地は,高位〜中位段丘相当の平坦面を頂部に残している。寒川断層の北には,石鎚山脈を発端として南から北方向に流れる豊岡川,川原川などの諸河川によって,低位段丘面や扇状地性の沖積面が広範囲にわたって形成されている。

丘陵地と沖積面の地形境界および沖積面上には,Bランクのリニアメントが断続的に判読される。リニアメントは北側低下の比高1〜2mの低崖からなる。低崖は,北流する河川にほぼ直交しており,低崖南の丘陵地の地形面が南へ逆傾斜していることから,侵食により形成された侵食崖とは考えにくく,断層運動によって形成されたものと判断される。