(2)トレンチの地質状況
本トレンチでは,高角度で傾斜する断層を介して,南側の沖積層および中位段丘相当層と北側の中位段丘相当層が接している。南側に分布する沖積層は上位からA層(シルト質礫層),B層(シルト質礫層),C層(シルト質砂礫層),D層(礫層),E層(シルト質砂礫層),F層(腐植質シルト層),G(シルト質砂礫層),H層(砂礫層),i層(シルト質砂礫層),J層(砂礫層),K層(砂質シルト層),L層(岩塊を含む礫層)に区分され,最下層に中位段丘相当層のM層(礫混じり砂質シルト層)が分布する。また,北側の中位段丘相当層は,T層(シルト質砂礫層),U層(砂礫層)の各層に区分される。断層間にはi,KおよびM層の混在した断層帯が形成されている。断層は中位段丘相当層および沖積層(L〜D層)を切断し,断層に沿って礫が直立している。断層直上では,A層および耕作土が薄く覆っている。