(3)変形構造
F1断層による変形構造は,西側法面において良く観察できる。i,K,M層は,断層運動によって北側が隆起するような変形を受けている。また,F1断層は,数条に枝分かれしており,その間にはK,Mおよびi層の混在する断層帯が形成されている。さらに断層運動に伴う礫の再配列化が,東西の両法面において観察できる。一方,西側法面のF1断層より北側に分布する中位段丘相当層中に滑動面が確認できる。滑動面は走向・傾斜がN44°W・22°Nで,条線の走向・傾斜はN40°E・16°Nである。滑動面はT層およびF1断層を切断し,A層に覆われているが,U層に連続しない。