(3)考 察
沖積堆積物の基底面には比高3m以上の段差が認められ,北側隆起となっている。Hg−2側では,この段差を埋めるように凹地状の谷部に沖積堆積物が分布しているものと考えられる。また,当地点は逆向き低崖(南側低下)の延長部に位置することから,沖積堆積物基底面の標高差は逆向き低崖の高度差に対応するものと考えられる。したがって,Hg−1とHg−2の間には断層が存在する可能性が高い。沖積堆積物の基底面の高度差を断層活動によるものと仮定すると, 沖積堆積物が堆積中に少なくとも1回以上の断層活動があったものと推定でき,石鎚断層のトレンチ地点として選定された。