伊予断層の北側の平野では,南側の和泉層群からなる山地を発端として南東から北西方向に流れる長尾谷川などの河川により,扇状地性段丘面(LT,LU,LV面)や沖積面が広範囲にわたって分布している。扇状地性段丘面と沖積面(A面)との境界は,ほぼ伊予断層に平行に分布している。
米湊断層による撓曲は,伊予市米湊より東方では不明となるが,伊予断層とほぼ平行に分布する扇状地性段丘面(LT、LU、LV面、)と沖積面(A面)との境界を通る可能性がある。伊予市米湊から横田にかけてLV段丘面とAU沖積面との境界はほぼ予讃線に沿って北東−南西方向に延びている。伊予市上野から宮ノ下にかけての区間では,LV段丘面とAU沖積面との境界が伊予断層にほぼ平行に約2km連続する。LV段丘面の傾斜は行道山から流下する長尾谷川の扇状地の影響を受け,大きくなっている。