(2)調査結果

ボーリング調査は,地形判読結果および地表踏査結果を考慮し,逆向き低断層崖の西方延長上の水田で,推定される断層位置を挟んで2本(孔間隔12mで北からHi−1,Hi−2)実施した。

各ボーリング孔の層相の特徴を以下に記載する。

Hi−1 孔口標高:EL=198.44m,掘進長:30.00m 

Hi−1では,深度23.7mで着岩した。深度23.7m以浅の堆積物は層相の特徴から,深度7mを境に沖積層と岡村層相当層に区分できる。

沖積層は,暗灰褐色を呈した腐植物混じりシルト層と黄褐色を呈したシルト混じり砂礫層からなる。径1cm前後の結晶片岩の亜円礫,木片,炭,腐植物を介在する。

岡村層相当層は,黄褐色〜明赤褐色を呈するシルト質砂礫層からなる。礫は径1〜5cmの半クサリ〜クサリ礫化した結晶片岩礫(亜円礫〜扁平板状礫)からなる。

深度23.7〜25.4mまでは,暗青灰色を呈する破砕帯である。粘土状コアで,脆くなった白色の石英礫や石英脈を介在する。色調から三波川変成岩類を起源とした破砕帯であるとみなされる。

深度25.4m以深は,暗灰色〜灰色を呈する破砕帯である。粘土角礫状コアで,頁岩は暗灰色を呈し,粘土化が著しく,砂岩は灰色を呈し,径1〜3cm程度の角礫状コアとなっている。色調や礫種から和泉層群起源の破砕帯であるとみなされる。

Hi−2 孔口標高:EL=198.44m,掘進長:38.00m

Hi−2では,深度33.1mで着岩した。深度33.1m以浅の堆積物は層相の特徴から,深度10mを境に沖積層と岡村層相当層に区分できる。

沖積層は,暗灰褐色を呈した腐植物混じりシルトと黄褐色を呈したシルト混じり砂礫層からなる。径1cm前後の結晶片岩の亜円礫,木片,炭,腐植物を介在する。

岡村層相当層は,黄褐色〜明赤褐色を呈するシルト質砂礫からなる。礫は径1〜5cmの半クサリ〜クサリ礫化した結晶片岩礫(亜円礫〜扁平板状礫)からなる。

深度33.1〜33.9mまでは,暗青灰色を呈する破砕帯である。粘土状コアで,脆くなった白色の石英礫や石英脈を介在する。色調から三波川変成岩類を起源とした破砕帯であるとみなされる。

深度33.9m以深は,暗灰色〜灰色を呈する破砕帯である。粘土角礫状コアで,頁岩は暗灰色を呈し,粘土化が著しく,砂岩は灰色を呈し,径1〜3cm程度の角礫状コアとなっている。色調や礫種から和泉層群起源の破砕帯であるとみなされる。