(2)地 質

平山の小起伏山地上は和泉層群からなり,山腹斜面を縁取る林道沿いに砂岩優勢の砂岩頁岩互層の露頭が認められる。平山の和泉層群からなる小起伏山地上には,径5〜20p(最大径80p)の結晶片岩の亜

角礫を主体とする礫層(岡村層相当層)が分布している。この礫層は,永井(1973)が重力滑動によって生じたものと述べているが,土石流ないし洪水によって供給された可能性が高いと考えられる。また,この礫層を運搬した河川のかつての上流を断層以南の山地側に求めると,少なくとも350m西方の谷(堀切峠から平山へ北流する谷)となる(岡田,1973a)。

三波川変成岩類からなる大起伏山地の山腹や大きな谷の出口には,地すべり地形や沖積錐が発達しており,河床部には径2〜3mの結晶片岩の転石が散在している。